全地球カタログ/ Whole Earth Catalog
60年代ヒッピーのバイブル
概要
「全地球カタログ」(WEC)は、スチュアート・ブランドによって編集されたアメリカのカウンターカルチャー雑誌。おもにヒッピー・コミューンを支えるための情報や商品が掲載されていた。
1968年から1972年、以後は1998年まで散発的に発行。スティーブ・ジョブズが、若いころに最も影響を受けていたメディアであることでよく知られている。ジョブズの「Stay Hungry.Stay Foolish.(ハングリーであれ、馬鹿であれ)」は、WECの裏表誌に記載されていた言葉である。
WECでは掲載する全商品を「全体システムの理解」「シェルターと土地の利用」「産業と民芸」「コミュニケーション」「コミュニティ」「ノマド」「学習」などの独特のカテゴリを作ってカタログ化していた。また紹介している商品の中には、売り手の名前と価格が記載されており、カタログを通じて商品を購入することができた。そのため価格や商品情報の更新が大変だったという。通信販売の先駆けともいわれている。
ただし、紹介される商品や情報はスチュアート・ブランド独自の美的感覚でフィルタリングされており非常に個性的な内容になっていた。具体的には、ニューサイエンス、コンピュータ、ヒッピーライフ、禅、ヨガ、東洋思想、瞑想、自然エネルギー、有機栽培の仕方などである。