概要
オルタナ・テック(オルト・テック)は、主流のテック・サービスの代替として自分たちを位置づけるウェブサイト、ソーシャルメディアプラットフォーム、インターネットサービス・プロバイダなどのグループのこと。
これらのサイトの共通点は表現の検閲に対して厳しくないことで、おもにオルタナ右翼、極右、その他の極端でフリンジな視点を持つサブカルチャーの人々の間で人気を集めている。
利用ユーザーは「言論の自由」と「個人の自由」を大切にしており、しばしば極右のユーザー層や反ユダヤ層主義の隠れ蓑になりつつある。
オルタナ・テックのグループは、最近では主流のソーシャルメディア・プラットフォームから追放されたり、多くの保守派一般人の避難所になりつつある。
代表的なオルタナ・テック
種類 | オルタナ・テック |
SNS(Twitter) | |
SNS(Facebook) |
Minds、MeWe、WrongThink |
検索 |
DuckDuckGo |
動画共有サイト |
BitChute、DLive、DTube、Rumble、Odysee、PewTube、Triller |
クラウドファンディング | GoyFundMe、WeSearchr、Hatreon |
Wiki百科事典 | Infogalactic、Conservapedia |
ニュース・アリゲーター | TheDonald.win、Voat |
インスタント・メッセージ | Discord、Signal、Telegram |
画像掲示板 | 4chan、8chan |
出会い系サービス | WASP Love |
ペーストビン | JustPaste.it |
ホスティング・レジストリ | Epik |
市民プラットフォーム | CloutHub |
決済サービス(Paypal) | Bitcoin |
歴史
オルタナテックのソーシャルメディア・プラットフォームは、2010年代後半から2021年の現在にかけて急速な成長と人気を集めている。
元々は著名な人々や組織が主流のプラットフォームから追放されたり、タイムライン非表示にさせたり、内容の修正を要請したことが発端の一因となっている。
「ビッグテック」という言葉が軽蔑的な意味で使われるのはこうした言論弾圧が背景にある。
多くのオルタナ・テックの創設者は、自分たちをシリコンバレー勢力の拡大に対する重要なカウンターウェイトと見なしている。
もう一つの要因として、政治的問題がありビッグテックが検閲しているという認識があったことが大きい。
オルタナ・テックは、2010年代から存在しているが、2018年にFacebookやそのほかのビッグテックプラットフォームから極右陰謀家で有名なアレックス・ジョーンズがプラットフォームから追放されたのが、米国でのオルタナ・テック人気のターニングポイントと見られている。
また、Hope Not Hateの研究者であるジョー・ムルホールは、2018年の反移民、反イスラームを掲げるイギリスの極右政党「ブリテン・ファースト」のサービスへのアクセス遮断。
2019年のイギリスの反イスラムの極右活動家トミー・ロビンソンのサービスへのアクセス遮断行為が、イギリスにおいて一般人がオルタナ・テックのプラットフォームに参加することに拍車をかけた2つの大きな出来事と特定している。
アメリカでは2021年の米国議事堂襲撃事件後にFacebookやTwitterがトランプ大統領のアカウントを凍結させたことが、それまでオルタナ・テックに関心のなかった一般人がオルタナ・テックのプラットフォームに参加するきっかけになる大きな事件となった。
トランプ支持者がよく利用していたウェブサイト「Parler」は、1月6日の米国議会議事堂襲撃事件の数日後にアマゾン・ウェブ・サービスがホスティングを停止したことでオフラインになった。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/Alt-tech、2021年1月14日アクセス