BitChute
陰謀と憎悪に満ちたヘイトスピーチ動画サイト
概要
種類 | 動画共有サービス |
開設日 | 2017年1月 |
創設者 | レイ・バーヘイ |
本社 | イギリス |
URL | bitchute.com |
YouTubeではアップできない動画が中心
BitChuteは、レイ・バーヘイが2017年1月に創設したイギリスの動画共有サイト。
極右や陰謀論者、ヘイトスピーチなどが検閲されず積極的に発言できる動画共有サイトとして知られているが、設立の動機はYouTubeから追放されたユーザーのための代替サイトである。
2020年の大統領選挙の1週間前に、YouTubeや他のサイトがCOVID-19陰謀説を広めるウイルス映画『プランでミック』や誤った情報を取り締りをした後、Bitchuteは急速に成長したという。
現在は反ワクチン、反ワクチンパスポートに関する動画が積極的にアップロードされている。
創設者であるレイ・バーヘイは、BitChuteを「政治的に中立」と掲げているが、実際には「ヘイトスピーチや有害な誤報に関するコンテンツや生産をほぼ独占的に宣伝する戦略」を選択していると指摘されており、DiscordやTelegramなど、よりイデオロギー的に中立なオルタナ・テックとは区別されている。
南部貧困法センターは2019年に、BitChuteに対して「憎悪を煽る種」をホストしていると批判している。
また、名誉毀損防止連盟は2020年に「暴力的で陰謀的で憎悪に満ちたビデオの宣伝、そして過激派募集の場の温床になっている」と批判している。
また、ISISなどのテロリストやネオナチグループの支援、制作した動画をホストしていることが記録に残っている。テロリストの募集告知がされたこともある。
BitChuteを利用するユーザーの中には、YouTubeから追放されたものも多く、意識的に過激なコンテンツを投稿する際に利用されることが多い。
一部のクリエイターは、YouTubeには極端ではないコンテンツの投稿に使用し、より極端で過激なコンテンツをBitChuteに投稿している。
収益構造
BitChuteは広告に依存しておらず、ユーザーは動画制作者に直接支払うえるシステムになっている。
BitChuteでは、クリエイターがプラットフォーム上で公開した動画を、SubscribeStar、PayPal、暗号通貨処理業者などの資金調達サイトへリンクして収益化ができる。
PaypalはBitChute自身のサービス利用を禁止しているが、BitChuteはPayPalページへのリンクを選択したクリエイターのために、今でもPayPalページへのリンクを提供している。
Bitchuteはビットコインの資金調達に力を注いでる。2017年以来、Bitchuteは今日までに50万ドル近くのビットコインを所持しているという。その約5分の1は昨年12月にロールバックされた。
ホスティングの分散化
サイトの立ち上げ以来、ホスティングを分散化してコストを削減する手段として、P2P技術のWebTorrentの使用を推進しているというが、これには異論もある。
ダウンロードしたすべてのビデオは、BitChuteのサーバーから直接送信されたものであり、P2P経由でデータは受信されていないと報告されている。サイトのマグネットリンクは機能していないという。
重要ポイント
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歴史
BitChuteの法人格であるBit Chute Limitedは、2017年1月にレイ・バーヘイがイギリスのニューベリーで登録した。同社は英国に拠点を置いているが、バーヘイはタイ在住である。
サイト開設当時、バーヘイはBitChuteに関して「主流のプラットフォームの代替となるもの」と説明していた。
バーヘイは、主流の動画共有サイトで、ユーザーを追放したり、広告収入を受け取れないようにしたり、アルゴリズムを操作して特定のコンテンツを表示しないようにするなど検閲が高まっていると考えていた。
2018年11月、BitChuteはPayPalから禁止された。また、PayPalは同時に陰謀王のアレックス・ジョーンズ、オルタナ右翼のプラウド・ボーイズ、トミー・ロビンソン、そしていくつかの反ファシストのグループとユーザーも禁止した。
2019年、クラウドファンディングサイトのIndieGogoもBitChuteを禁止した。BitChuteはPatreonとStripeの使用も禁止された。
2019年1月、BitChuteはGabへの投稿で、極右コンテンツをホストするウェブサイトの登録を受け入れることで知られる小規模なドメインレジストラであるEpikにドメインを移行することを発表した。
2020年3月、ドイツのネットワーク施行法に新たな規定が設けられ、ソーシャルメディア企業は、プラットフォーム上でのヘイトスピーチの事例を当局に報告することが求められるようになった。
しかし、オンライン・ニュース・プラットフォームのCodaは、この法律がYouTube、Facebook、Twitterなどのプラットフォームに適用される一方で、BitChuteはこの規定の影響を受けないプラットフォームの1つであると報告している。
2020年8月初旬、Twitterは同サイトへのリンク投稿をブロックし始め、その後、リンクをクリックしたユーザーに警告を表示した。
2020年の大統領選挙の1週間前に、YouTubeや他のサイトがCOVID-19陰謀説を広めるウイルス映画『プランでミック』や誤った情報を取り締りをした後、Bitchuteは急速に成長したという。
2021年1月の時点で、BitChuteは、COVID-19に関連する陰謀論など、同慈善団体が有害と考えるコンテンツのうち、ホロコースト否定およびホロコースト賛美のコンテンツをウェブサイト上で発見し、コミュニティ・セキュリティ・トラストが英国情報通信庁に報告した。
報告によれば、今回の件は、英国におけるソーシャルメディアの規制、特に過激主義や憎悪に満ちたコンテンツに関する英国情報通信庁の新たな役割にとって、重要なテストケースになるという。
BitChuteは1月に、英国の「視聴覚メディアサービス規則2020」の定義に沿って、禁止コンテンツのリストに「憎悪の扇動」を追加した。
しかし、「人種差別的な中傷、ナチスのイメージ、ユダヤ人に対する暴力の呼びかけは、動画のコメント欄において頻繁に見られる」という。
■参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/BitChute、2021年10月2日アクセス
・https://chicago.suntimes.com/2021/9/30/22703200/bitcoin-cryptocurrency-andrew-anglin-white-surpemacists-alt-right-richard-spencer-daily-stormer、2021年10月2日アクセス