【対談】蛭子能収VS根本敬 「2回戦目:「生」と「性」に関して」

蛭子能収VS根本敬



出典元:「トンデモ悪趣味の世界」

 

蛭子:オレ、子どもとかぜんぜん欲しいと思わんかった。

 

根本:でも、自分の子どもは一応かわいいんでしょ。

 

蛭子:後からはね。はじめはぜんぜん思わんよ。

 

根本:育てんの面倒だもんね、蛭子さんにしてみりゃ。そういや何度も堕ろしているもんね。

 

蛭子:そう。でも、うちんと(奥さんのこと)は堕ろすの嫌いなんですよ!

 

根本:そりゃ、誰だって好きじゃないって。蛭子さんだけだよ、なんとも思わないの。

 

蛭子:オレねぇ、生まれてからも一年ぐらいはまだ殺してもいいって思うんですよね。大きくなってからもほら、一歳の頃の記憶なんかないじゃいですか。

 

根本:だからまだ人間じゃないってんだ。

 

蛭子:そう。

 

根本:最近どうなの、交尾のほう?

 

蛭子:えっ!?

 

根本:セックスは、奥さんとのさ。今、週何回?

 

蛭子:いや、最近はあまりしとらんですよ。週一回、いや、二回かな。

 

根本:避妊とかしてないんでしょ、中出し。

 

蛭子:しとらんね。面倒臭くってさぁ。でも最近はできんねえ。もうさぁ、早く子どものできんからだにならんかねえ。アレっていつあがんの、メンス

 

根本:個人差あるでしょう。さすがに最近は親戚も言わなくなったんだ、「パイプカットしろ」ってさ。

 

蛭子:近頃はやっぱりできんからさ。最後にできたのは40歳過ぎたぐらいだったからねえ。オレは堕ろせって言ったんですけどねえ、もう、うちんとが強情で"産む!"って言ってきかんから、しょうがないから覚悟決めてね。

 

根本:奥さん泣いたんだっけ。「もう堕ろすのはこりごり」って。蛭子さんホントに憂鬱そうにしてたもんね。あの頃。「子どもば生まれんですよ!」って。ところがね・・・。

 

蛭子:そう、六ヶ月越えたぐらいでやったかねぇ、流産したんですよね!(嬉しそうに)。死産ていうのかな。

 

根本:蛭子さん、大喜びしてたもんね。「やったァ」ってさ。

 

蛭子:そう、オレもう、ホントにホッとしてさぁ。

 

根本:で、アレだよね、奇形児だったんでしょ、生まれたの。

 

蛭子:ええっ?そんなことないでしょう。

 

根本:でも言ってたよ、蛭子さんあのとき。医者が珍しいからもらっていいかって言うからやったって。

 

蛭子:ええ? そうやったかなぁ。

 

根本:で、ホルマリン漬けになって、どっかの標本室にあるって、噂だよ。

 

蛭子:そんなぁ。みうらじゅんさんや根本さんが勝手に作った噂だよ。

 

根本:そんなことないよ。蛭子さん興味なから忘れたわけだよ。

 

蛭子:覚えとらんねえ。

 

根本:水子供養なんてもちろんするわけないよね。だいたい、したらきりないし。

 

蛭子:オレもう、そういう面倒臭いことは嫌いなの。お袋が死んだから墓買えって親戚が言うんですよ。でも、聞いたらアレってすごく高いんだねぇ。だったらいらんと思って、庭に埋めればよかって言ったら、庭に埋めるのダメなんだってねぇ、法律で。

 

根本:ダメだよ、そりゃ。しかし蛭子さんって「死」に対してなんでそんなに冷淡なの。あと、いろんな儀式とかさ。冠婚葬祭の類って、ぜんぜん必要性感じてないよね。現実っていうか、やっぱ目の前の利益、金だよね、なんたって。その割り切り方が尋常じゃないよね。

 

蛭子:うちの一家みんな、醒めているんですよ。ぜんぜんベタベタしとらんの。兄貴もねえ、この前お袋が死んだとき、25年ぶりかな、久しぶりにあったの。嫌っているわけじゃないけど、べつにもう一生会わんでもいいと思っとった。

 

根本:やっぱ動物だよね。熊や狸と一緒だよ、その感覚。