Epik
極右のためのドメインレジストラ
概要
種類 | ウェブホスティングサービス |
開設日 | 2009 |
創設者 | ロブ・モンスター |
本社 | アメリカ |
URL | epik.com |
Epikはアメリカのドメインレジストラおよびウェブホスティング会社。極右やネオナチなどの過激なコンテンツを掲載するウェブサイトにサービスを提供していることで知られている。「ドメイン業界のスイス銀行」と自称している。
Amazonやマイクロソフトなどビッグテックが運営するサーバから強制的に削除されたら極右系ウェブサイトに対して積極的にサービスを提供していることから、極右派の避難所とも言われている。
Epikの代表的なクライアントには、ソーシャルネットワークのGabや画像掲示板の8chanなどがある。
2018年まで、Epikはおもにドメイン取引に焦点を当てており、ほとんどの一般の人からは注目を集めていなかった。2018年、Gabにサービスを提供することを決定したとき、同社は注目を集めるようになった。
2021年には、ソーシャルネットワークのParlerが、2021年の米国連邦議会議事堂襲撃の計画に利用されたことでAmazonからホスティングなどのウェブサービスを拒否され、ドメイン登録をEpikに移行した。
Epikは、2020年6月に禁止されたr/The_Donaldサブレディの後継として機能していた独立した極右フォーラムであるPatriots.win(旧TheDonald.win)にもホスティングとレジストラサービスを提供している。
2010年代後半、一連の買収に続いて、Epikは、Webホスティング、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービス、DDoS保護など、さまざまな他のWebサービスの提供も開始した。
Epikは2009年にロブ・モンスターによって設立され、ワシントン州に本拠地を置いている。2021年9月、ハクティビスト集団「アノニマス」を名乗る攻撃者による大規模なデータ流出が発生した。
重要ポイント
|
歴史
Epikはロブ・モンスターが2009年に創設した。2018年までドメインの販売に注力していたが、同年にGabのホスティングを開始したことから極右系のサービスとして注目を集めはじめた。
注目が集まるとサイバー攻撃の数がも増えてくる。そこで、2019年2月にEpikは、ワシントン州のバンクーバーを拠点とし、DDoS攻撃などの影響を低減する製品を提供するセキュリティ企業のBitMitigateを買収した。
同社はEpikの一部門として運営が継続され、BitMitigateを創設したニコラス・リムは一時Epikの最高技術責任者を務めた。
同年第二四半期にはホスティング企業であるSibyl Systems Ltd.を買収した。南部貧困法律センター(SPLC)によれば、Sibyl Systemsは2018年10月22日にノルウェーもしくはイングランドを拠点として創設された企業で、同社は設立直後に、2018年10月27日にピッツバーグで発生したシナゴーグ銃撃事件の犯人が利用したことで、別の事業者からサービスを停止させられていた。
SPLCはSibyl Systemsを「透明性が低く、所有者の履歴が不明瞭で、活動拠点も明確でない影の事業者」と評した。
また、Epikは極右ユーザーのSNSであるGabのホスティングを開始した。
エピックのデータ流出は2021年に発生した。この情報漏洩では、顧客の個人情報、ドメインの履歴や購入記録、クレジットカード情報、社内の電子メール、同社のWHOISプライバシーサービスの記録など、幅広い情報が流出した。
1500万件以上の個人ールアドレスが公開されたが、このメールアドレスは顧客と情報がスクレイピングされた顧客以外の方のものだった。
エピックはその後、データセキュリティ対策が甘く、特に機密性の高い顧客データを適切に暗号化していなかったことが批判されました。
違法行為の報告の欠如
Wiredは2018年に、Epikは、登録したWebサイトでの違法行為の報告に応じなかった歴史があると書いている。これは、米国に拠点を置くドメインレジストラにとっては珍しいことである。
医薬品ウォッチドッグのウェブサイトLegitScriptは、2018年に、Epikが登録したウェブサイトでの違法薬物や偽造医薬品の販売についてEpikに警告し、Epikが裁判所の命令なしに情報に基づいて行動することを拒否したと報告した。
■参考文献
・hhttps://en.wikipedia.org/wiki/Epik_(company)、2021年10月2日アクセス