兵器の特徴を見極めた防衛法
尊師:やはりいつものように、ハプニングが起きた。ブレーカーが落ちていないのに、この部屋の電気が全く使えなくなったこと。これはわたしが旅行すると毒ガスが噴霧されたり、あるいは先程述べたとおり米軍の海軍の戦闘機がわざわざ富士山まで戦闘訓練をしにくる、などなど見ても、特異な現象です。
しかし、これらは逆に、わたしたちに防衛というものがいかに大切なものであるかを教えてくれます。二番目のコーナーで出てきたいろいろな兵器、この兵器に対してどのようにしたら防衛することができるのか。それについてまず、肉体的な面からクリシュナナンダにお話をしていただきましょう。
クリシュナナンダ:はい。人間は生物ですから当然、生理学的な限界は持っていまして、それらの兵器がまともに使われた場合、そして何らかの防衛の処置を取らない場合には、もうお手上げということになります。具体的にはシェルターなどになると思うのですが・・・・・・。
尊師:しかし、例えば広島で原爆投下された際に、白い服を着ていた人と、黒い服を着ていた人によって、その被爆の度合いが違ったとか、いろいろあると思うんだが。
クリシュナナンダ:はい。それぞれの兵器の特徴、例えばそれは熱を主体とするもの、あるいは爆風を主体とするもの、といった特徴を緩和して攻撃力を弱めるということも可能だと思います。
尊師:ここのところは、具体的にはマンジュシュリー・ミトラの方が詳しいかな。
マンジュシュリー・ミトラ:そうですね。まず、通常兵器に関しては、厚い防護壁、これがあれば大丈夫だと思います。例えばいちばん初めの弓矢程度でしたら、板でも大丈夫ですが、機関銃ぐらいになりますと、口径12.7ミリのもので1インチの鋼板、鉄の板を打ち抜くことができると思っています。
尊師:1インチですか。
マンジュシュリー・ミトラ:1インチ、つまり2.5センチくらいですね、だいたい。そして、大砲ぐらいになるともう少しエネルギーが大きくなってまいります。この大砲にはいろんあ種類があって、例えば破片を主体とするもの-これは、上空で破裂して破片をまき散らし、それに人が当たると死ぬというもの。これについては、速度といいますか、運動エネルギー自体は1つ1つはそれほど大きくないので、機関銃と同じように鋼板で防げます。それから、1かたまりになって、運動のエネルギーを強化されたタイプの運動エネルギー弾になりますと、30センチぐらいの鉄板をぶち抜いてしまいます。
このあたりは建築で防げると思うんですが、放射線を撒き散らす原爆のたぐいになりますと、まず爆風、これは巨大な圧力の衝撃波のかたちでやってまいりますよね。それから熱線。この熱線に関しては、先程尊師がおっしゃったように、白い服と黒い服では熱線の反射が違いますから、当然白い方が被害が少ないということになります。それから露出している皮膚の部位、ここは非常に弱点ですから、そういう皮膚の露出が多いほどもろいということになるわけですね。それから放射線。放射線にもいろんな種類があります。例えばガンマ線。これは厚い鉛等で、できるだけ原子番号の大きな物質で防ぐしかないものです。それから中性子。これは中性子爆弾と称して、中性子だけ非常に大量にばらまくものも開発されているようですが、これに関しては鉛等よりも、むしろ水素を含んだもの、例えば水の方が防御できるということになっています。
尊師:レーザーとか、あるいはマイクロ波についてはどうかな。
マンジュシュリー・ミトラ:そうですね、レーザーの場合は、これも波長帯によると思うのですが、金あるいはアルミのきらきらとした、要するに鏡ですね。鏡で反射するという方法が最も有効ではないかと思っております。
尊師:ということは、例えばだよ、熱線の場合はどうなんだ。
マンジュシュリー・ミトラ:もちろん、白い服よりも鏡の方がいいです。
尊師:いいよね。
マンジュシュリー・ミトラ:はい。
尊師:だから、鏡を使った服、しかもその内側に薄い鉛の膜の入ったような服が開発されると被害はかなり少なくなるのではないだろうか。
マンジュシュリー・ミトラ:そうですね。早速作ってみたいと思います。それから、建物全体も鏡で覆えば、なおいいかもしれませんね。
核兵器にはシェルターで備える
尊師:これについては建築の専門家であるティローパ、どうかな。
ティローパ:はい、熱線あるいはマイクロ波、放射線、それから爆風。それぞれ破壊する要素が違ってくると思うんですけれども、鏡というのは反射可能なものについては非常に有効だと思います。原爆の場合、一次的な破壊においては非常に大きな爆風が生じます。これに対しての有効性は、やはり地下。地下に穴を掘って地下室を造る。いわゆる地下式のシェルターというのが大変有効であると思います。この地下のシェルターの場合のメリットというのは気密性が保ちやすいということですね。最初の爆風等による破壊を免れた後、大量の放射能が来ますので、それを防ぐためには気密性がないといけません。そういう気密性を確保するためにも地下で。鉄筋コンクリート、それも厚みがだいたい30センチぐらいのもので造るというのが通常の地下のシェルターの造りです。こういうものが原爆にはよいだろうというように感じます。
尊師:そこでちょっと質問があるんだが、これはクリシュナナンダに対する質問になるんだが、例えば地下に入ると。そうすると大量の光を受けられないということがあるよね。
クリシュナナンダ:はい。
尊師:こういうものに対する対策というのか、あるいは実際の空気、新鮮な空気を地上から入れる、あるいは発生させる等あると思うが、このへんについてはどうなのかな。
クリシュナナンダ:空気に関しては、現在でも例えばフィルターを使いまして、かなりの防御ができるようになっていると思います。具体的にはわたしはデータを持っていませんが、各国でいろいろなシェルター造りが盛んに行われていて、それを専門としてやっている会社もあるということを聞いてます。
尊師:日光については、ビタミンDの欠乏症というか・・・・・・
クリシュナナンダ:そのようなものに関しては、現在手に入る薬剤でも十分まかなえると思います。
尊師:だいたい、何日ぐらい生きられると思うか。その地下の生活で。
クリシュナナンダ:それは、結局は備蓄次第ということになると思います。それよりもわたしが心配しているのは、そういう狭い空間に閉じ込められたときの、いわゆる心理的なパニックをいかにコントロールするかということの方が、重要になってくるのではないかなと思いますけど。
尊師:しかし、その心理的な問題については修行をすることによって、あるいは真理の教えを学び、記憶し、実践することによって乗り越えられるのではないだろうか。
クリシュナナンダ:はい、それは最もオウム真理教の特長とするところであり、得意分野でありますし、もし、オウム真理教の教義を取り入れて実践できたなら、生死を見つめて自己の内側を探求する絶好の機会ととらえることでしょうから、十分乗り越えられると考えています。
尊師:やはり、そのためにはね、皆さんに、ちょっと長い歌だが、覚者の記憶修習をしていただいたら、生命を延ばす上においては非常に利益になると思います。では、「覚者」。
■出典元
『日出づる国、災い近し』オウム出版