【丸尾末広】丸尾末広が手がけた本の挿絵・表紙

丸尾末広は書籍の表紙絵や挿絵も多数てがけている。このページでは丸尾末広の書籍関係の仕事を記録する。

荒俣宏「帝都物語」カドカワノベルズ

最も有名な丸尾末広の「学ラン学帽」キャラ


荒俣宏「帝都物語1 神霊篇」
荒俣宏「帝都物語1 神霊篇」
荒俣宏「帝都物語2 魔都篇」
荒俣宏「帝都物語2 魔都篇」

「帝都物語」は1985年に発表された荒俣宏の小説デビュー作。1987年の第8回日本SF大賞を受賞し、1988年には映画化されたほか、様々なメディアミックスが行われ、荒俣の出世作となった。

 

帝都物語は、もともと雑誌「月刊 小説王」(角川書店)に連載されていたが、雑誌が休刊してしまったため、カドカワノベルズで書き下ろし刊行という形になる。書き下ろし刊行にあたって起用されたのが丸尾末広である。

 

「帝都物語」の表紙絵を担当したイラストレーターは複数いるが、丸尾が担当したのは1985年から1987年にかけ最初に書き下ろし刊行されたカドカワノベルズ版の「帝都物語」シリーズ全10巻である。

 

帝都物語1 神霊篇  1985.01.25

帝都物語2 魔都(バビロン)篇  1985.04.25

帝都物語3 大震災(カタストロフ)篇1986.01.25 (ここから書下ろしとなる)

帝都物語4 龍動篇  1986.02.25

帝都物語5 魔王篇  1986.03.25

帝都物語6 不死鳥篇  1986.07.25 

帝都物語7 百鬼夜行篇  1986.10.25

帝都物語8 未来宮篇  1987.02.25

帝都物語9 喪神篇  1987.05.25 

帝都物語10 復活篇   1987.07.25

帝都物語まとめより)

 

なかでも1巻「神霊篇」と2巻の「魔都篇」は丸尾のカラーが強く、現在までの学ラン学帽キャラクターの基本型ともいえる。

 

丸尾のほかには、天野喜孝(文庫版)や田島昭宇(新装版)が表紙絵を担当している。

火坂雅志「京都呪殺」

平安時代を舞台とした伝奇小説


本作品は1991年に講談社から刊行された火坂雅志の小説『京都呪殺』の表紙用に書きおろされた作品。恒武天皇が世をおさめる平安京を舞台にした伝奇小説。悪鬼があふれる地獄と化した京の都の危機を救うため、拳法家西行法師が挑むという内容。挿絵も数作品描いている。

大槻ケンヂ『新興宗教オモイデ教』


本作品は、1993年に角川文庫から出版された大槻ケンヂ『新興宗教オモイデ教』文庫版の表紙用に書きおろされた作品。大槻ケンヂ初の長編小説。また、本作品は2015年10月7日に徳間ジャパンコミュニケーションズから発売された筋肉少女帯の17枚目のアルバム『おまけのいちにち(闘いの日々)』のカバーアートにも利用されている。

KAWADE夢ムック 団鬼六 特集

刺青の入った女にまとわりつく蛇のような紐


本作品は2000年に河出書房から出版された「KAWADE夢ムック 団鬼六 愛と悦楽の文学」の表紙用に描かれた作品。おそらく団鬼六の代表作『花と蛇』を基盤にして構成されたものである。

 

肩に刺青の入った女性が目隠しされ、身体には縄紐が蛇のようにまとわりつき、画面左上には吊り責め状態の黒い影が描かれている。縄紐とは別に、画面中央には赤い紐がやはり蛇のように描かれ、斜めに横断しており、画面左下には大きな渦巻き模様が描かれている。

 

なお、団鬼六は刺青鑑賞が趣味で刺青写真をコレクションしていたという。