【社会現象解説】ネットカフェ難民「Net cafe refugee」

ネットカフェ難民 / Net cafe refugee

ネットカフェを寝床にするホームレス


概要


ネットカフェ難民とは、借家や持ち家に定住することなく、おもに都心のインターネットカフェを寝泊まりの場として生活する人々。ホームレスの一種。

 

ネットカフェ難民という呼称は2007年1月28日に放送された日本テレビ系ドキュメンタリー番組「NNNドキュメント」が起源である。この番組で定住せずネットカフェを日常生活の寝床にしている人々を隠れたホームレスとして「ネットカフェ難民」と表現した。その後も日本テレビでは、この呼称のままネットカフェ難民を続けて取り上げている。

 

ネットカフェ難民の多くは、おもに日雇い労働や短期の派遣労働で日々の生計を立てている。かつてのドヤと異なりインターネット登録でないと仕事に就けないため、ネットカフェを住処とするホームレスが増えはじめた。

 

2018年の調査では東京都内で1日5,000人存在(週に5日以上利用する常用者)し、5割近く(46.8%)が月11~15万円の収入があると答えている。30代が約30%と一番多いが、20歳代~50歳まで幅広い年齢層にわたっており、性別は男性85%に対し女性が15%である。

 

利用料金はナイトパック12時間で約2,000円、1ヶ月約6万。約8割が1ヶ月以上の長期利用だという。

 

一方で、路上で暮らすホームレスの数は年々減少しいる。2017年の東京都での調査では1,397人が路上生活者が確認されている。

 

東京都の調査では、住宅を借りられない理由として「敷金等が貯められない」62.8%、「家賃を払い続けるための安定した収入がない」33.3%、「入居に必要な保証人がいない」30.9%が挙げられている。

2019年貸倉庫難民の出現


インターネットカフェで寝泊まりする「ネットカフェ難民」が、世間に知られるようになって10年以上がたった2019年、「レンタルルーム」や「レンタルスペース」と呼ばれる貸倉庫を住処とする新たなるホームレス層「貸倉庫難民」「脱法ハウス」が最近増えているという。

 

窓がない、仕切りの素材が燃えやすいなど住居としての建築基準を満たしておらず、本来は違法であるが利用料金の安さから住み着く人が出てきたという。一部屋の契約額は月三万円程度だ。

 

毎日、入退室手続きが必要なインターネットカフェに比べても、月単位で借りられ、荷物を置いて仕事に行けるため便利。職場の口コミなどで広がり、住む人が増えているという。

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