Odysee
反YouTubeの大本命 P2P型動画サイト
概要
種類 | 動画共有サービス |
開設日 | 2020年12月 |
創設者 | ジェレミー・カウフマン |
本社 | アメリカ |
URL | odysee.com |
OdyseeはYouTubeとよく似たインタフェースの動画共有サイト。リバタリアンのジェレミー・カウフマンが開発し、2020年9月にベータ版が公開され、2020年末に正式にリリースされた。スローガンはGoogleと同じく「邪悪になるな」。
Odyseeはブロックチェーンプロトコルの1つであるLBRYを開発したチームが開発した動画共有サイトなのが最大の特徴である。
YouTubeがアップロードされた動画を集中管理されたサーバに保存するのに対し、Odyseeは集中管理されたサーバを避けるために、P2Pのようにデータがネットワーク上に分散された状態になっている。
この技術は新しいものではなく、ビットコインのような暗号通貨で使われているブロックチェーン技術やBitTorrentのような以前のP2Pシステムのデザインをさらに洗練させたものである。
使い方はYouTubeとほぼ同じで、ユーザーは自分のチャンネルにビデオをアップロードでき、視聴者はビデオに「いいね!」を押したりコメントを残すことができる。メインページにはサイトでトレンドになっているビデオが表示される。
Odyseeは、大手企業が運営しておらず、一般個人の開発者によって運営されているオープンソースのソフトウェアである。データ自体は、広大な分散型、透明性、追跡可能なネットワークにより安全性は維持されている。その一方で、政府当局や産業界の規制を受けないようにしている。
Odyseeは、本来、極右や過激派のコンテンツ制作者のためのプラットフォームではないが、多くの人にとって、Odyseeはおもにバックアップや二次的なライブラリとして使われている。また、YouTubeから追放されたユーザーの代替サイトとして使われている。
9月にベータテストを開始して以来、公開時には870万人のユーザーが登録しており、幅広い層の視聴者に支持されている。
人気チャンネルは右派学者のジョーダン・ピーターソン、右派系YouTuberのタール・ワーウィック、MAGA専門家のイライジャ・シャファーなどの極右コメンテーターが名を連ねている。シャファーは、米国議会での暴動に参加し、2020年の選挙結果が違法であるという陰謀論を広めた。
Odyseeのもう一つの特筆すべき点は、広告主や広告に頼ることない収益モデルである。Odyseeでは独自の暗号通貨「LBRYクレジット」の利用が推奨されており、暗号通貨で報酬が支払われる。
重要ポイント
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仮想通貨を用いた収益構造
3つのマネタイズ方法が用意されている。
1つ目は、再生収益である。有効なアカウントを持つユーザーは、有効なアカウントを持つ視聴者に基づいて「ウォレット」に「チップ」として指定されたLBRYクレジット(LBC)の形で支払われる。これは、一種の報酬制度のようなものである。
収益は「平均視聴時間」「平均視聴回数」「コンテンツの種類」「エンゲージメント」「クリエイターの所在地」「クレジットの価格」などを条件に、チャンネルごとにレートが決定される。
高額クレジットを受け取ったユーザーは、検索結果でのパフォーマンスが向上し、コンテンツがトップリストやトレンドリストに表示される。獲得したLBCの総数は、ユーザーのチャンネルに記載される。
2つ目のマネタイズは、視聴者からのチップ、つまり直接の寄付である。視聴者は、個々の動画で「サポート」機能を選択し、LBCの金額範囲から選択する。これらのチップがユーザーに配布される。ユーザーは、ウォレット内のLBCを「アンロック」することで、チップと交換することができ、アンロックする金額を選択することができる。
ただし、ユーザーはチップの全額をアンロックしないようにしたほうがよい。アンロックすると、ユーザーのコンテンツが検索結果やトレンド、ディスカバリーの候補に表示されにくくなるためである。
アンロックのデフォルト設定は、全額の25%になっている。LBCはデジタル通貨以外の通貨にも交換できるが、まずは暗号通貨の取引所を経由する必要がある。Odyseeは、デジタル通貨交換プラットフォームのBittrex Globalと、暗号通貨としてBitcoinを推奨している。
Odyseeが挙げている3つ目のマネタイズは、サイト/アプリのプロモーションである。しかし、この機能については詳細な情報が提供されておらず、今後プラットフォームの成長に合わせて追加していく機能である。
■参考文献
・https://gnet-research.org/2021/02/17/odysee-the-new-youtube-for-the-far-right/、2021年10月2日アクセス