ぴろぴと /Piropito
15年以上アンダーグラウンドで活動する現代アングラの巨匠
概要
生年月日 | 不明 |
国籍 | 日本 |
表現形式 | アニメーション、映像、コラージュ、漫画 |
代表作 |
・Doll |
公式サイト |
・ありさんとぐらげさんがごっつんこ(2019年3月終了) |
ぴろぴと(YouTube ID:Nana825763)は、日本の映像作家。2001年頃からおもにネット上で15年以上、淡々と活動しているアンダーグラウンド作家の巨匠。初期は寺山修司やマックス・エルンストの影響が色濃いシュルレアリスム風なFLASHアニメーション作品で人気を博した。
ぴろぴとは、日本のFlashアニメーション黄金時代から現在にいたるまで第一線で活躍している数少ない現役作家の一人である。もともとは自サイトに作品を公開していたが、現在はおもにYouTube上に作品を発表している。最も人気の高い作品はホラーアニメーションの「Username:666」で、2017年現在、約1000万の再生回数を達成している。次に人気の高い作品はシュルレアリスティック的な「Doll」で、これは約100万回の再生回数となっている。
2010年頃から初期のようなシュルレアリスティックなアニメーションはさほど作っておらず、それよりも、廃墟で運命的な出会いをした日本人形「のろいちゃん」(上の写真)や改造した空き家を組み合わせて、実写のコマ撮りアニメーションや映像を制作するケースが多い。
2017年には、空き家になっと祖父の家をインスタレーション作品の実験場やアトリエとして利用し、それをさらに映像作品「My house walk-through」にする。インスタレーションと映像と前衛表現の融合を果たした。色彩も初期FLASH作品のような表現主義的な色濃いものに戻りつつあり、劇団イヌカレーや既存のぴろぴと類似作品から脱することに成功。今後の実写作品の展望が見えるブレークスルー的な実験作品である。
重要ポイント
- 15年以上絶え間なく作品を発表している現役アンダーグラウンド作家
- Username666で海外まで広く認知されるようになった
- 初期はFLASHアニメーションだったが最近は実写映像に変わりつつある
ぴろぴと・ジオシティーズ日記ログ
・2018年なし
・2019年3月消滅
ぴろぴと氏の衝撃的アトリエ&生活
作品解説
username:666
「Username:666」は2008年作。ぴろぴと作品で最も人気が高く、再生回数は2017年時点で約1000万に達しつつある。日本はもとより海外で広く紹介されている作品である。Youtubeでユーザーネーム「666」を検索し、その後数回ページをリロードすると、パソコンの操作が不能になるというホラー作品。心臓が悪くなる作品として紹介されることが多い。→続きを読む
ニコニコ呪いの動画
「ニコニコ呪いの動画」は2007年作。ニコニコ映画祭用に制作予定だったが、応募には失敗したという。「username:666」のプロトタイプといえる作品で、ニコニコ動画を閲覧していると、画面がだんだんと真っ赤になっていき、パソコンの操作が不能になるホラー作品。今まで制作した作品を素材にしてコラージュされたリサイクルコラージュ作品でもある。→作品を視聴
溺れる女
「溺れる女」は2007年に制作された作品。水形氏との共同制作作品。当初は「アントクアリウム」のようなアリの生活をアニメーションにしようとしていたが、途中でなぜかホラー・エロティックに変更。画面という枠の中にさらに枠を利用しており、ジョゼフ・コーネル作品を思わせる。コーネルは「シュルレアリズムは黒魔術であるが、自分の芸術は白魔術である」といったが、ぴろぴと氏は「黒魔術のジョゼフ・コーネル」だろう。→作品を視聴
ちっちゃなちーちゃん
「ちっちゃなちーちゃん」は2006年作。「SLASH UP02」出品作。水形氏との共同作品。アウトサイダー・アートの本を読んで、理論に反発する影響を受けていたこともあって直球勝負をしたという。しかし、これまでで最も大きな会場であり、またふだん地下Flashに関心のない一般客を呼び込んだイベントだったため、ほとんどハプニング作品となった。上映直後、2ちゃんねるのニュース速報板で話題にもなった。→作品を視聴
Doll
「Doll」は2005年に制作された作品。最もよく知られているぴろぴと作品の1つ。ゴシック的な表層イメージ、シュルレアリスム風のコラージュ、寺山修司や表現主義的な色使いが特徴。内容は女の子が殺されて、強姦されて、腐ってハエがたかって死ぬというもの。当時住んでいた安アパートで大量発生したハエからインスピレーションを得て制作したという。メインビジュアルの人形は8万円のフランス人形だったという。BGMはantihoney氏で、楽曲に合わせて映像を制作している。初公開は2005年の「FLASH★BOMB'05」。→作品を視聴
滑油式
「滑油式」は2004年作。「FLASH★BOMB'04」出品作。シュルレアリスムに最もはまっていたときに制作された作品で、なかでもマン・レイ作品の影響が色濃く感じられる。ほかにもダリや多くのシュルレアリスム作家のイメージを数多くコラージュしている。また当時のシュルレアリスム映画の雰囲気が出るよう、サイレント映画に音楽を付け、モノクロームで劣化したフィルムに見える演出にしている。→作品を視聴
まーちゃんのりんご
「まーちゃんのりんご」は2004年作。「第3回紅白FLASH合戦出品作。「第17回CGアニメコンテンスト」受賞作。紙人形風アニメーション「今日は何の日?」の続編的なコンセプトで制作されている。内容は宇宙人が少女を誘拐して殺してしまうというお散歩ファンタジー。筒井康隆のメタフィジカルな手法やユーリ・ノルシュテインの切り絵アニメーションを利用している。→作品を視聴
今日は何の日
「今日は何の日?」は2003年作。「第4回 BIGLOBEクリエイターズアワード」出品作。テーマは「お誕生日」。昔の白黒のサイレント映画と紙人形劇のような演出に挑戦。前回応募した「花火虫」は幻想系だったが、この頃はかわいい絵本的なタッチに興味が出てきたころ。「ぴこちゃん物語」の系譜にある作品である。→作品を視聴する
ありさんのおそうれつ
「ありさんのおそうれつ」は2003年作。「留守番」が怖いからかわいいへの変化にだったのにたいして、本作はかわいいから怖いへの変化。怖いものがかわいくなるより、かわいいものが怖くなる方が嫌だろうなと思い制作したとか。演出面は「アンダルシアの犬」や「薔薇の葬列」が基盤になっている。→作品を視聴
留守番
「留守番」は2003年作。音楽に合わせてマネキンや人形がダンスするアニメーション。この頃作品の雰囲気が突然変化する演出にこだわっていたため、耽美的な雰囲気から急に絵本タッチに変わる。このあたりから幼女ものが増えだして、ぴこちゃんというキャラがしばらく作品に現れるようになる。「FLASH★BOMB'03」出品作品で製作期間は4ヶ月でかなりかかっている。→作品を視聴
ぴこちゃん物語
「ぴこちゃん物語」は2002年から2003年にかけて制作した絵本風アニメーション作品。最初は前半パーツと後半パーツに別れていたが、現在はひとつになっている。ボーカロイドソフトを見つけたので試しに使って見たかったというのが制作動機。また、この頃記号論に関心を持っていたため、以前と異なり記号的な表現が現れ始める。→作品を視聴
花火虫
若後家接吻荘
「若後家接吻荘」は2002年作。書き留めていた夢日記を元にしてアニメーションを制作。当時、アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」を読んで影響を受けていたため、意味なくイメージを羅列。「若後家接吻荘」というタイトルの由来はブルトンの「溶ける魚」から。3フレームを使った演出は美術家の束芋から、ほかに寺山修司の「田園に死す」からやスーザン・ピットも引用している。音楽はお経とアダルトビデオの音声を逆再生したもの。→作品を視聴
人間っていいな
「人間っていいな」は2001年作。不気味な人形を使ってアニメーションを作りたかったのが制作動機で水子供養が主題。東急ハンズで買ったキューピーを粘土でかためてデジカメ撮影。音楽はクロノトリガーを逆再生している。素材は自宅のカーテンや絨毯や額。このころFlash板ができた。→作品を視聴
小さな写真屋さん
「小さな写真屋さん」は2001年に制作された作品。ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」の曲に合わせて制作した作品。素材は、自宅にある絨毯や人形や自分の手をデジカメ撮影してコラージュしたもの。この頃から極彩色が強くなってきた。→作品を視聴
右手
晶子ちゃん
回転体
無題
「無題」はFlash以前に制作されたGIFアニメーション作品。2001年作。また記念すべき処女作。絞首刑執行時の床の抜ける「バターン」という音にインスピレーションを受けて制作した作品で、死刑をおそれる男の妄想の内容。→作品を視聴
漫画作品
ロボット
間接自殺について
2009年12月発行
350エン
■出展・引用■
作品内に明記
■FONT■
fub工房より
絶望工場
自己責任論について
2008年8月発行
350エン(当サイトで販売中)
■出展・引用■
2chログ
@スレ「人間と人間社会が嫌いな人」
@秋葉原殺傷事件ログ
@派遣議論ログ
@負け組み議論ログ
@サイレントテロ論議
その他ブログ等からの引用
とりあえず興味あるwiki